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裁判に勝てば当然支払いをしてもらえるか？
今回は、裁判に勝った場合、その後はどのようになるかについてお話ししてみたいと思います。
例えば、AさんがBさんに対し５００万円の損害賠償の支払いを求める裁判を起こしたところ、見事勝訴して判決が確定したとします。Aさんは裁判に勝ったんだから当然、すぐに５００万円もらえるといえるでしょうか？
残念ながら、それは正解ではありません。裁判に負けても任意に支払いをしようとしない相手方はいます。また、裁判所が相手方の代わりに立て替えて支払いをしてくれるわけでもありません。そうすると、裁判に勝てば自動的に損害賠償金がもらえるとはいえないことになります。
それでは何のために裁判を起こすのでしょうか？それは債務名義を得たうえで、強制執行をして債権回収を図る点にあります。
「債務名義」とは耳慣れない言葉だと思いますが、これは強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のことをいいます。要するにこれがないと強制執行ができません。
債務名義の種類として、今述べた確定判決の他、離婚などの調停調書、公証人役場で作成される公正証書などがあります。
そして、「強制執行」とは裁判所を通して、相手方の財産を差し押さえて売却するなどして、強制的に債権を回収することをいいます。また、相手方に不動産などの財産がなくても、働いているのであれば、給料を差し押さえることもできます。
強制執行をするためには、裁判所に対して強制執行の申立をする必要があります。
以上のように、裁判に勝ったにもかかわらず、任意に相手方が支払いをしてくれなかったとしても、強制執行をすれば債権を回収することが可能です。
しかし、注意しなければならないのは、相手方が財産もなく、働いてもいないのであれば差し押さえる物がなく、結局債権の回収ができないということです。
そこで、裁判を起こすときは、そもそも法的に勝訴する見込みがあるかどうかという点だけでなく、相手方に資力があるかという点についても注意を払う必要があります。
このように、裁判をするには様々な事情を考慮する必要があります。
裁判だけでなく、強制執行についても弁護士が代理人となって手続きをすることができます。これから裁判をすべきか、また、裁判には勝訴したものの、支払いがないため強制執行をしたいが手続きが分からないなどの問題でお悩みであれば、お気軽に当事務所までご相談ください。
