2016.3.4公開
「離婚を切り出したが,配偶者が離婚に応じてくれない。協議が整わないので,家庭裁判所に調停を申し立てたが,不成立に終わってしまった。」
このようなとき,それでも離婚をしたいという場合は,裁判を起こす必要があります。
では,裁判ではどのようなことが争われるのでしょうか?今回は,離婚の合意がない場合について見ていきたいと思います。
裁判で離婚が認められるためには,単純に,もう夫婦を続けるのが嫌になったから,という理由では足りません。協議や調停では,離婚したい理由を問いませんが,裁判では,民法上定められた離婚原因があるか否かということが問題になります。
民法上定められた離婚原因とは,①配偶者に不貞な行為があったとき,②配偶者から悪意で遺棄されたとき,③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき,④配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき,⑤その他,婚姻を継続し難い重大な事由があるとき,をいいます。
このうち,最も多く見かけるのが,⑤婚姻を継続し難い重大な事由があるとき,と思われます。この「婚姻を継続し難い重大な事由」とは,例えば,配偶者から暴力や暴言を受けていたり,ギャンブルなどにより多額の借金をされていたり,長期間にわたって別居をしていたりするなど,夫婦生活が破綻し,回復の見込みがないことをいいます。決定的な一つの事情により破綻することもありますし,様々な事情が積み重なって,夫婦関係が破綻していると判断されることもあります。また,事実を争っているときは,その事実があったことを裏付ける証拠が必要となります。例えば,暴力の有無が争われていたら,当該暴力による怪我の写真や診断書などを示していくことになります。
裁判では,離婚原因があることを主張・立証していくことが必要ですが,どのように裁判をすすめていけばよいのか,ご本人で手続をすすめるのは大変だと思われますので,まずはお気軽に当事務所の弁護士にご相談ください。